ともに育つ親の会 3月

○いつまでも変わらないのではないか?という不安は全く必要ありません!
 学校に行かない、行きたくないと言い出した子どもを前にした時、とても驚きと衝撃を受けられる保護者の方は多いです。

「学校に行きたくない」という表現を素直に受け取ると、学校に今までは行くことはできていたのに、これからは行かないと言っているように思えます。
だから「学校へ行きたくない」と言った子どもへの親の自然な反応は、「なぜ(どうして)行きたくないの?」と、聞き返すことになります。

この一言は、子どもにとって実はとてもやっかいな質問になります。それは行きたくない理由があっても親には言いたくないからです。
また明確に行きたくない理由が子どもの言葉としてない、表現できない場合もあるからです。
心の中では、(行きたくないから行きたくないって言っているのに!なんでわかってくれないんだ)と叫んでいることでしょう。

今までだって日常生活の中で「公園に行こうよ-行きたくない」、「買い物一緒に行く-行きたくない」、「お風呂に入って-今、入りたくない」など子どもたちは自分の意思表示をしてきました。
その時はどんな反応を親としていたでしょうか?「そうなのね、行きたくないのね」と受け止めたことも多いのではないでしょうか?もちろん「都合があるから、そんなこと言っちゃダメ」と叱ることもあるでしょう。

「学校に行かない」は親の一存で許容してよいとは到底思えませんから混乱してしまうようです。
学校に行かない-学歴がつかない-就職できない-よって親がいつまでも面倒を見なくてはいけない=そんなことはできない くらいは一瞬で頭がよぎるのではないでしょうか。
そして学校に行かないってどういうことだ・・と問いただすことになります。

 しかし子どもの「学校に行きたくない」とは、こういう意味が含まれていることがあります。
 「学校にいると、友だちとの人間関係で疲れたり、傷ついたりしてもうイヤなんだ」
 「学校にいると、勉強がついていけなくて学校にいる意味が感じられないんだ」
 「学校の先生が怖い顔していつも怒鳴ってばかり。他の友だちが怒られているのを見るのもしんどいんだ」
 「学校で、気をゆるせる友だち、信頼できる友だちがいないんだ」
 「学校に何のために行っているのか、その価値が全くわからなくなったんだ」
 「何をやっているだとか、何でできないのとか、もっと早くしろとかそういうことを先生もクラスの友だちも平気で言ってくるけど、そう言われるたびに自分がダメな人間だと言われている気がしてどんどん自分に自信がなくなってくるんだ」
 「なんで、自分がこんなに辛い気持ちなのにわかってくれないんだ」

 このような気持ちを伝えることは、子どもにとってとても難しいことです。
いくつもの気持ちが組み合わさったときそれを表現することは大人であっても難しいものです。

 ここに子どもと親との見ている視点にギャップが生まれます。
子どもは「今」の自分の気持ちをわかってほしい、無条件に受け止めてほしいと思っています。
親は、行きたくなくなった原因(過去)を探ろうとしたり、このまま行かなくなったらどうなるのだろう(未来)への不安をもったりしていて、子どもの気持ちを理解することなど最初から眼中にないといった感じになります。

 「学校に行きたくない」という一言は、とても親子にとって重い言葉です。
しかし「学校の行きたくない」の一言から大きな気づきがあるのも事実です。
小学校へ行くことになっていることに対して、もう一度「何のために学校へ行くのか?」「どうして勉強しなければならないのか?」そして「どんな大人になりたいの?」と考えるきっかけになります。

「学校に行かなければならない」と当然のように思っていることは、本当に当然のことなのでしょうか?
今、日本全体でこれまで「安全」だと思っていたものが次々と覆されています。そして何が「安全」で「信頼」できるものなのかを自分で判断していく時代になってきています。
 何も考えず盲目的に「学校には行くべきもの」との考えは、せっかく子どもが大切なことを投げかけてくれているのですから、いっしょに考えてみるのもいいのではないでしょうか?
子どもの「学校に行きたくない」もずっと続くわけではありません。
親後さんに「学校に行きたくない」と言うことは並大抵の決心ではありません。子どもも大きな決断をして言ってくれているということを、真剣に受け止めてみてください。
 人は、受け入れてくれる人がいてこそ安心して前を向いていけます。フリースクールに来る子どもたちを見ていて本当にそう思えるのです。
身近な人にこそ、受け入れてほしい、分かってほしいという子どもの気持ちをぜひ理解してほしいのです。