相談ファイル2)家ではとっても元気です。でもなぜか学校には行きたがりません。

相談ファイル2)家ではとっても元気です。でもなぜか学校には行きたがりません。
 中学校1年生の息子です。5月の体育祭が終わった後くらいから、学校に行きたくないと言い出しました。最初はそんなワガママを言ってはいけないと叱って、遅れてでも学校には行かせていました。そんなことが数回は続いた後に、突然、「絶対に学校に行かない!」と布団にくるまって絶対に起きようとしなくなりました。私も夫も仕事がありますから、根負けしてそれ以上は力づくで何かすることはできなくなり、子どもを残して仕事にいくようになりました。
 一応、昼食はつくって置いておいたのですが、息子は「大変だろうから作らなくていい。自分で作るから」と言ってくれたので、今では特に何も用意をしていません。帰宅してみると、いつも何か簡単に調理をして食べた様子があるので自分でできるのだなと感心したところです。
 いま、一番気になっているのは、家にいる時はとても元気そうなのに一向に学校に行くことを考えていなさそうなところです。家にいる時は、家のいろいろなものを使って科学実験のようなことばかりしています。この前などは薬品が引火して危うく家事になるところでした。
そんな元気があれば学校には行けるのではないか、少し様子を見ていましたが元気になれば戻ってくれるものと思っていましたが、そうではなかったのだとショックを受けています。
 これから先も学校に行かないのかと思うと、本当にこのままでよいのかと心配になります。どうしたらよいでしょうか?

【地球子屋からの返信】
 地球子屋にご相談ありがとうございます。中学1年生の息子さんは、体育祭の後から学校に行かないと言われて不登校になったのですね。
いろいろとご家族も心配されて、学校への登校を促されたようですが、息子さんの意思は固いように感じられます。子どもであっても「行かない」と決心した場合には、どんなことをしても動かないことの方が多いようです。
 その一方で、お母さんのご負担を気遣ってのことなのかはわかりませんが、昼食を自分で作って食べているのは、なかなかできることではなく感心しています。
食欲があることは、元気の源ですからその点は安心しても良いように思います。

 そしてその活力は、科学実験に向かっているとも書いてありました。これは推測でしかありませんが、学校のコマ切れの時間割では科学実験などはじっくりと取り組むことができないことへの不満があるのかもしれません。あるいは実験以外の教科書による勉強には興味がもてないのかもしれませんし、そういった話題ができる友だちが学校にいないのかもしれません。いずれにしてもそういった不登校になった原因を探りすぎることはあまりお勧めはしていません。たとえ今書いたような原因があったとしても、その原因をご家族でどうにかできる問題でもありませんし、もっと他の理由が積み重なってのことかもしれません。
 私達は、今までできていたことができなくなると、そこには原因があるはずで、その原因を取り除くと再び元に戻ると考えがちです。機械の部品などが壊れた場合には確かに壊れた部品を交換すれば元に戻ることもあるでしょうが、不登校の問題を解決するにあたっては、そういった考え方自体が危険なのです。
 もうすでに体育祭が終わってから3か月以上が経っており、その間に息子さんの気持ちも変化しているかもしれません。学校に行けない原因を考えても上手く説明がつかないのです。元気になられているという状況から、おそらく息子さんは学校に行く力自体はあると思われます。しかし登校する力はあっても、その学校に価値や魅力を感じていなければ、行きたくはないはずです。

 むしろ今は家庭でできる科学実験に没頭されているということですから、好きなだけ没頭させてあげてもよいのではないでしょうか。人が学ぶ方法は実に様々です。人から教えられる方がよい人もいれば、自分で1つ1つ実際に確かめないと気がすまないという人もいるでしょう。学校の学習スタイルが自分に合わないからこそ、息子さんは自分自身に合ったスタイルで学んでいるのかもしれません。科学実験の体験の背景には、これまでの科学の積み重ねがあります。実験を理解するには、科学の文献を読み込まざるを得ません。自然に漢字、数式などにも触れることになるでしょうし、場合によっては英語の文献にまで範囲が広がって英語にも興味をもつかもしれません。
 何より科学実験で得られた体験は、息子さんにとってかけがえのない財産となり自分の自信にもつながることになるのではないでしょうか。

 ご家族にとって学校に行かないことは心配でしょうが、五教科の勉強については、今の時代スマホの動画でいくらでも教えてもらえますし、塾などの支援を受ければすぐに学力的には追いつけるものと思います。それ以上に学ぶことへの興味・関心は持たせようと思っても、持つものではありません。科学に興味をもったということは素晴らしい資質を持っているかもしれないと認めてあげることが大切なのではないかと思います。

 一人でコツコツと実験をする事が好きなら思う存分、今はさせてあげてもよいと思います。もし息子さんが誰か人の手を借りたい、話相手が欲しいなど言うようであれば、地球子屋をその時教えてあげてもよいかもしれません。地球子屋ではなくてもネットが発達した時代ですから、実験の様子などを撮影しネットに投稿していけば同じように科学実験に興味のある人とつながることは容易です。そうやって人と人とのつながりを感じられるのであれば、社会性も培っていけるのが今の時代なのです。

 大切なことは、ご家族が放っておく、無関心になるのではなくて、息子さんが悩んでおらず元気であることをまずは認めてあげていきましょう。息子さんの興味関心があることに耳を傾けて聴いてあげることから始めましょう。
親子の関係が良くなれば、家に居続けてよいのかどうかについても話し合いができるタイミングはあると思います。どのように話し合ってよいか分からない場合は、地球子屋に一度ご相談ください。

 きっと話合いの中で息子さんにとって一番よい成長の仕方、学習の仕方などが見えてくると思いますし、今後の生活の仕方についても考えることができると思います。