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「学校とのやり取りが“複数窓口”になって消耗する:連絡系統を一本化する方法」

 

 

 

 

 

欠席が続き始めた頃、
学校からの連絡が一気に増えることがあります。
担任から電話、
養護教諭から体調確認、
学年主任から面談提案、
スクールカウンセラー(SC)から「一度お話を」、
部活顧問からも連絡——。
どれも子どもを心配しての善意で、
学校が「できることを探している」動きでもあります。
ただ、その善意が重なると、
家庭側はそのたびに状況説明を繰り返すことになり、
保護者は疲弊しやすいというお話です。

子どもも、
連絡が入るたびに表情が固まり、
「学校の話をしないで」
と家の空気が張る。
結果として
家庭の主にお母様が
“いつでも対応しなければならない状態”になり、
親子関係の回復や生活の立て直しが
あるいは、ご自身の仕事が
後回しになってしまう。

ここで提案したいのは、
学校の連絡をメンドウなもの
とする発想ではなく、
「連絡の形を少し整えて、ご家族のためになるもの」
に変えるという一つの方法です。
もちろん、
状況によっては一本化が
難しいこともありますし、
今すぐできなくても
問題ではありません。
できそうな範囲だけ取り入れて、
家庭が持つ形に調整してよいものです。

「誰から」
「何のために」
「何を決めたい連絡か」。
体調確認、情報共有、支援提案、
事務手続き(提出物・出欠扱い・面談日程)
などが同時に来ると、
家庭の負荷は跳ね上がります。

まず、整理の出発点として
「連絡の発生源と目的」を分けてみます。
目的が大切で、子どもやご家族にとってそれは
本当に役立つか、
誰と信頼関係を築きたいか、
次につながるか、
など、相手都合から自分のための連絡に切り替える
こと、ここがコツになります。

自分のために、という目的が見えるだけでも、
「今すぐ答えなくていい連絡」と
「期限がある連絡」を分けられ、
気持ちが少し落ち着きます。

次に大切なのが、子どもの反応の観察です。
連絡の後に眠りが浅くなる、
食欲が落ちる、
怒りが増える、
部屋にこもる——
そうした変化があるなら、
“連絡量そのもの”が
負荷になっている可能性があります。
(これは学校サイドでは絶対に気づけない点です)

これは「子どもが弱い」からでも
「親が対応できない」からでもなく、
刺激が重なりすぎているだけのことが多い。
反応が見えると、
調整の必要性を学校側にも
説明しやすくなります。

そしてもう一つ、
保護者自身の限界点も指標になります。
電話が鳴るだけで動悸がする、
仕事が止まる、
家事が回らない、
きょうだい対応が崩れる——
そうした状態は、
家庭が支援の土台として
機能しにくくなるサインです。
ここを「親の努力不足」と
捉える必要は全くありません。
むしろ、限界点が見えていること自体が
重要な情報で、連絡の形を整える根拠になります。

それでは一本化を考えるときのコツです。
まずは“やらない”線引きを考えることです。
それは二つあります。
第一に、全ての窓口に即時対応し続けないこと。
真面目な方、きちんとしたい方には、即時対応が常識
という考えの方も少なくありません。
しかし、たとえ善意の連絡でも、
重なれば家庭の回復を削ることがあります。
「今は窓口を一本にして、まとめて共有したい」
という方針は、子どもを、そしてご自身を守る
ための“調整”です。
調整など失礼ではないかと思案する方もいるかも
しれませんが、大切なのは、子どもであり、ご家族であり
ご自身なのです。遠慮することはありません。

第二に、説明のために
家庭の詳細を出し過ぎないこと。
解ってもらいたい、
経緯を細かく話したい
という気持ちがあることは分かります。

家庭の深い事情があることも事実でしょう。
ただ相手によって、1を1で理解する人も
いますし、1聞いたら5から10くらい理解
するような相性のよい方もいることでしょう。
ご家族にとって役立つ、信頼できる人に、
しっかりと話をすればよいです。
もし言えるなら、その方に他の連絡先にも
情報を共有してください、と言うのも1つの手です。

そして、誰にでも、同じように話さなくてよい、
ということをここでは強調したいと思います。
とりあえずは「現状」を伝えればよいのです。
もし不足した場合は、連絡先が質問をするでしょう。

次に「連絡の取り方」です。
毎日が負担なら3日に1回、週に1回と明確に
提案してよいです。
極端な話、
「必要な時にだけ、こちらから連絡を入れます」
でもよいでしょう。

では、具体的にどんな形が
“負担が少ない一本化”になりやすいか。
要点はシンプルです。
相談や支援を専門にしている人が信頼できそう
ならその方がよいです。
学校ならSSWということになります。
SSWを避けたい場合は、業務量が少ない人を
「窓口」「頻度」「共有内容」を固定します。
担任や学年主任は、業務量が多すぎて熱心に
傾ける情熱をすり減らしている可能性が
あります。
子どもやご家族の困り感に熱心に向き合って
くれそうな人を選んだほうがよいでしょう。

たとえば、
窓口はSSWに一本化し、
連絡は電話ではなく
メールや連絡アプリ中心にして、
頻度は週1回程度にする。
共有内容は、
①今週の体調と生活の様子(短文で)
②家庭からの依頼(必要なら1つ)に絞る。
これだけで「いつ鳴るか分からない不安」から
距離を取りやすくなります。

学校への伝え方・言い回しフレーズは
以下のような形が役に立つかもしれません。
たとえば
「ご心配いただきありがとうございます。
今は連絡が重なると子どもも家庭も
負担が大きいです。
窓口を◯◯さんに一本化させてください。
週1回こちらから状況を共有する形に
できると助かります」
「急ぎの案件は
件名に“至急”と入れていただけると
見落としが減ります」といった表現です。
ご家庭の都合を1番に伝えること、
このように建設的な提案をすることは
決してクレームなのではなく、
むしろ学校側の負担を減らすことにもつながります。
「家庭の現状」と「ミスを減らす工夫」として提示すると、
協力が得られやすいことが多いです。

最後に。
一本化は、必ずしなければならない“正解”
ではありません。
連絡を減らすことが難しいことも
あるでしょう。
学校側の事情で複数窓口が必要な場合もあります。
それでも、
「窓口・頻度・共有内容を少し固定する」という発想は、
家庭の消耗を軽くし、
子どもが落ち着く余白を作りやすい方法の一つです。
もし家庭だけでは整えにくいと感じたら、
外部の相談先に「連絡調整そのもの」を
相談テーマとして持ち込んで構いません。
原因追及ではなく“生活を守る連携”として整えることが、
結果として
子どもの回復を支える土台になっていきます。

ご相談は、
不登校・ひきこもり相談支援センター
(フリースクール地球子屋)へお願いします

「何もしない時間」が子どもにとって意味を持つことがある理由

 

 

 

 

 

不登校(学校を休みがちという意味です)
になると、平均2か月以内に病院を受診します。
平均3か月以内に、スクールカウンセラーや
スクールソーシャルワーカーが接触、相談機関
への相談もする方も多いと思います。
そこで言われることが、「見守りましょう」です。
見守りって何をすればいいの?
何もしないでいいの?
何も親はするなっていうことなの?
などとご家族はモヤモヤした気持ちになります。
そんな気持ちに応えるべく、
今回は、見守りの意味についてのお話です。

そもそもの話ですが、
不登校の子どもについての理解というのは
多面的にとらえる必要があります。
不登校というのは、端的にいえば
学校という社会が求めるものと子どもとが
相容れない状態だということです。
ですから、学校側に問題がある、子どもの
側に問題がある、学校と子どもとの関係の
問題もある、ということです。
さらに時間の経過によっても不登校の子ども
の状態は刻一刻と変化していくので
捉えにくいという側面もあります。

そんな中、不登校が続くと、
「今は見守るしかない」
と本当に様々な人から言われます。

けれど、不登校が始まった渦中の
保護者の立場からすると、
何もしないことは、とても不安です。
「本当にこれでいいのか」
「このまま動かなくなるのでは」
そんな思いが頭を離れません。

ここで子どもの視点に立って考えてみましょう。
地球子屋で関わってきた中で、
よく耳にする子どもの言葉があります。

「何かしなきゃって言われなくなったら、少し楽になった」

この言葉は、
“放置されたい”という意味ではありません。
評価や期待から一度離れられたという感覚を
表しています。

心理学の分野では、デシとライアンの
自己決定理論によって、「評価や期待から離れる」
ことの意味は説明できます。
人は常に評価される状況にあると、
自分で選ぶ力が弱まりやすいことが知られています。
選択肢があっても、選べない状態になるのです。
そして、行動のすべてが「やらされ感」となって
いくのです。

何もしない時間は、
回復のための「空白」をつくる時間でもあります。

それは、
怠けるための時間ではなく、
自分の感覚を取り戻すための時間です。
※以前のNOTEでの書いたように、心身の疲労を回復
するという側面ももちろんあります。

学校という場が、先生や他の子どもたちの目から常に
評価の目にさらされているということは、
大人が思っている以上にキツイことなのです。
そして、その環境に身をおくことで自分が判断する
ということを無くしていき、先生や周りの子にいかに
合わせるかということにばかり神経を使うことになって
いるのです。
そんな時間が毎日毎日続いたのです。
自分の感覚を取り戻すには、学校に行っていた期間
以上の時間をかけて1つ1つ取り戻していく、そんな
時間が必要なのです。

保護者が「何もしない」ことを選ぶのは、
実はとても勇気がいる判断です。
だからこそ、
その判断を一人で背負う必要はありません。
しっかりとご家族の気持ちを受け止めてくれる
ところとつながって、一緒に考えていくことを
おススメしています。

「見守るしかない」という言葉に、
不安や戸惑いを感じているなら、
今の状態を整理するための相談もあります。
何かを決める場ではありません。

ご相談は、
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同じ説明を繰り返すうちに、家族の中でも立場が分かれていったとき

 

 

 

不登校・ひきこもり相談支援センター
(フリースクール地球子屋)
では、毎月「ともに育つ親の会」を開催
しています。(※次回は3/14開催です)
この10年間、様々なご家族のお話を
聞いてきました。
その中で、不登校となって、ご家族の中で
考え方や価値観が異なることで意見が合わず
ご家族がバラバラになっていく、という話も
何度となく聴いてきました。
学校は、ご家族がこんなことになっているとは
夢にも思わないでしょう。
ですが、ご家族にとってとても大変で辛いこと
なのです。今回は、そんなご家族の立場の違いが
どんな結果となるか、というお話です。

「きっかけは何ですか」
「家庭ではどんな様子ですか」

学校、相談機関、支援窓口。
同じ質問に、何度も答える日々。

母親は、
「説明できるのは私だけだから」
と話し続けるうちに、
だんだんと言葉がすり減っていきます。

父親は、
主に仕事で対応ができません。
母親から報告を聞き、どうしたらよいか
助言を求められるプレッシャーを感じます。
学校ではこう言われた、相談機関ではああ言われた、
病院では、、と何度も聞くうちに、
「もう何度も説明しているなら、
どこかで結論を出したほうがいいんじゃないか」
と感じ始めることがあります。

祖父母は、
「いつまでこの状態が続くのか」
と心配しながら、
自分たちの子ども時代と比較してみると、
学校に行かない、行けないということが
どうしても子どもの甘えにしか見えません。
もし母親、父親が迷っているのであれば
親の先輩である祖父母がしっかりと子どもを
叱るということも必要!と考えてしまうのかも
しれません。
こんな考えが頭にあり、
つい強い言葉をかけてしまうこともあります。

子どもは、そんな家族を見てこう感じているの
かもしれません。
お母さんは、自分のために仕事を休んで、昼ご飯を
つくり、学校や相談機関に行ってくれたりしている。
自分のためにここまでしてくれて、
申し訳ない
という気持ちになって、もう自分のことはほっといて
くれとなって、距離をとることになることにつながります。
お父さんは、お母さんと違ってとにかく学校に行けばいい
んだ、面倒なことを家庭にもちこむなと言わんばかりの
態度、ときどきこの子はダメだ、という諦めや侮蔑的な視線
を向けてくる。自分の気持ちは絶対に理解してくれないだろう。
こんな気持ちになって、目も合わせない、絶対に同じ空間に
いたくない、となって部屋に閉じこもるきっかけになったりも
します。
祖父母に至っては、学校に行けとしか言わないので、
もう学校の先生とほぼ同じように見えてきます。もし同じ家内
に祖父母がいようものなら、そこは学校と同じ空気を感じずには
いられず、緊張が続くことになります。

子どもの視点は、本筋ではないので話を戻しましょう。
こうして、家族の中でも
見ている時間軸や
重きをおいている視点がズレていく
ことがあります。

誰も悪くないのかもしれません。
立場が違えば、見え方が違うだけです。

ただ、同じ説明を繰り返す負荷は、
想像以上に大きなものです。

すべての質問に、
毎回同じ熱量で答えなくても大丈夫です。

・今は話せないことがある
・一度に全部説明しなくていい
・家族で役割を分けてもいい

これらは、逃げではありません。

説明することに疲れを感じたら、
その状態を整理する相談もあります。
話さなくていい範囲を決めることも一つの選択です。

ご相談は、
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昼夜逆転を「戻そう」とした結果、関係がこじれてしまったケース

不登校・ひきこもり相談支援センター
(フリースクール地球子屋)
として、毎月1回ご家族が集まる
「ともに育つ親の会」を開催しています。
※次回は、3月14日(土)10時~12時(地球子屋にて)

そこではリアルな保護者の悩みや心のモヤモヤが
語られます。
その中でよくあるのが、昼夜逆転です。
今回は、あるご家族が子どもの昼夜逆転に奮闘
したというお話です。

この家庭では、
夜眠れず朝起きられない状態が
続いていました。

相談先から
「生活リズムを整えましょう」
と助言され、
保護者は早寝早起きを徹底しようとしました。

夜は
「早く寝なさい」
「スマホはリビングに置いて」
「ゲームは8時まで」
などと声をかけます。
朝は朝で
「早く起きなさい」
「いつまでも寝てないで」
「朝ごはんを食べて」
「太陽を浴びて」
などと言って起きるまで
何度も何度も声をかけたそうです。
最初は応じていた子どもも、
次第に反発するようになります。

そして朝になるほど体調を崩し、
親子の会話は減り、
家庭の空気が重くなっていきました。

後に立ち止まって振り返ったとき、
保護者はこう感じたそうです。

「整えようとしていたのは生活じゃなく、
自分の不安だったのかもしれない」

昼夜逆転は、
心身が緊張状態から抜けきれないときに
起こりやすい現象です。
形を先に整えても、
状態が追いつかないことがあります。

この家庭では、
起床時間を固定することをやめ、
「いつなら比較的楽か」を
観察することに切り替えました。
センターからは、睡眠ワークシートを提供しました。
睡眠の記録は、取ってみて初めてわかる
こともあるのです。
このケースでは、かなりショートスリーパーで
あることがわかりました。

睡眠のパターンは、単に寝る時間が
朝方になる昼夜逆転だけでなく、いくつかあります。
・寝ているのに入眠ができない
・入眠しても1⁻2時間ほどで起きてしまう
・24時間以上起きていて、ようやく寝ることができる
・寝ても寝ても、眠たい感じがある
・女子の場合は、生理不順、PMSなどの関係も
などいろいろあるのです。
感覚でもわかるものですが、睡眠ワークシートで
可視化するとご家族だけでなく、本人も自覚できる
ため、改善につながりやすくなります。

このケースでもリズムはすぐには戻りませんでしたが、
衝突は減り、
体調の波が読めるようになりました。
親子で単に昼夜逆転と決めつけずに、ショートスリーパー
として、どうしたらよいかと話をすることができました。

ストレスや疲労を回復させるために、睡眠はとても
重要です。
ですがご家族も夜は寝るために、睡眠の状況を把握する
のはなかなか困難です。
今では、スマートウォッチなど装着するだけで睡眠の
状態は簡易的に把握できます。
こういったアプリや機器の活用方法もお伝えしながら
一緒に考えていくと改善につながります。

生活を整えようとして苦しくなったとき、
一度立ち止まる選択もあります。
今の状態を見直す整理から始めても大丈夫です。

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学校からの「少しずつ慣らしましょう」に、違和感を覚えたとき

https://note.com/terrakoya/n/nda74f0f26f80?app_launch=false

現在の学校が、30年前の学校と
比較すればずいぶん
変化してきたことは
間違いありません。
ただ世の中の変化の方が早いため
いつまでも課題は解決できずに
拡大するばかりです。

学校に合わない、学校に行くことで
ストレスや疲労が積み重なっている
わけですが、子どもと向き合うことが
できないのが学校です。

欠席が続くと、学校から
「別室登校はどうですか」
「短時間だけ来られませんか」
と提案されることがあります。
学校側の論理だけで提案される
言葉にうんざりしているご家族と
子どもですが、気づくことができない
のです。

別室登校しても、担任ではなく
空いている先生が対応するケースが
多いです。
見知らぬ先生と、わけもわからず
会話したり、プリントさせられたりする
ことが、子どものためになっていると
言えるでしょうか?
不登校の子どもが学校に来たという
学校側の自己満足を満たすだけのために
子どもが無理をしなければならないことが
どれだけ理不尽なことか、これが先生方
にはわからないのです。

このような無責任な提案に振り回されるのは
子どもだけではありません。
弱っている子どもをご家族も付き添ったり、
車でわざわざ学校まで連れてきたりとかなり
の負担がかかります。
それでも、学校に行ってくれたらという思う
のが親の気持ちなのです。

保護者としては、
学校なりに配慮してもらっていると
いうことはわかるのです。
しかし同時に、
「本当に今、それができるのだろうか」
という違和感が残ることもあります。
でも「連れて来れませんか?」
「もう少し頑張らせることもできませんか?」
など言われれば、なんとかしようと思うのが
親の気持ちです。

ですが、そこで親が頑張ればがんばるほど
子どもが疲れ果ててしまう、そして結果として
親子関係もまた崩れていくことにつながります。

不登校初期の子どもは、
場所や時間だけでなく、
“期待されること”そのものに強い緊張
を感じている場合があります。

たとえ短時間でも、
「行けるかどうか」
「またできなかったらどうなるか」
という不安が重なると、
状態はかえって悪化することがあります。

学校の提案が悪いわけではありません。
ただ、それが
今の子どもの状態に合っているか
は別の問題です。

保護者が戸惑うのは、
学校と家庭で異なる判断基準を
同時に求められるからです。

ここで重要なのは、
「提案を断る=協力しない」
ではないという点です。

今は様子を見る選択も、
十分に意味のある対応です。

違和感を覚えた感覚は、
子どもの状態をよく見ているからこそ
生まれるものでもあります。

学校とのやりとりで迷いが続くとき、
一人で判断を背負わなくても大丈夫です。
今は何をしなくていいかを整理する相談もあります。

ご相談は、
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子どもが動き出す前に、家庭の空気が変わることが多い理由

祝!高校合格おめでとう!Nさん
あの小さかったあなたと一緒に高校合格を祝える日がくるとは!

今日は、そんな嬉しい気持ちと最初にあったあの日を思い出しながら書きました。

「何も変わっていないように見えるのに、
ある日ふっと外に出た」

これは、フリースクール地球子屋で
よく見られる変化の形です。
そしてそれは、不登校の子どもにとって
みれば大きな変化である、というお話を
今日はお伝えしたいと思います。

フリースクール地球子屋が、ご相談の中で、
そして実際フリースクールに通う子ども
たちを見てきた中で、不登校の子どもたち
には回復の5段階がある、と気づきました。

第一段階:健康度を把握するということです。
不登校の子どもの多くは、学校という環境に
対して、上手く適応ができないないので、あらゆる
面でストレスを感じているものです。
何に対してストレスを感じたり、
それらが積み重なって「疲労」となっているかは
一人ひとり違います。
そしてもしかすると本当に病気によって、ダルかったり
痛みを感じたりしているのかもしれません。
ですからご家族のみなさんが、まずしなければ
ならないのは、その子どもの健康度を把握する
ことなのです。

第二段階:子どもにとって安全で安心できる環境を整える
ということです。
自律神経に対する新しい知見、それが「ポリヴィーガル理論」
と呼ばれるものです。詳しくは、また違い機会に紹介します。
簡単に言えば、危険と感じたとき、最初は逃走/闘争反応を
示します。それで対応できない場合は、不動化という命を守る
モードへ移行します。
逆に安全な環境に身を置くことで社会交流モードとなり、
リラックスし、安心感を得て人とのコミュニケーションが
とれるようになります。
第一段階で健康度を把握できたら、次にご家族ができることは
家の中を安全な環境に整えることです。
そうすることで、不動化モードから社会交流モードとなります。
そして蓄積した疲労が自己治癒されていくのです。
ここまではご家庭内で主にできることになります。
そして家庭内で普通に生活ができるようになって、はじめて
家庭以外の居場所の必要性が出てくるのです。

今日の話は、まさにこの第二段階から第三段階へうつる
その瞬間をとらえた出来事ととらえる必要があります。
ちなみに
第三段階は、子どもの気持ちを理解する です。

話を戻しましょう。
不登校となり、外に出ることが怖く感じた、あるいは
外に出る理由がなくなったのかもしれません。
ずっとご家族はその子どもを観てきている。
毎日、起きて、食べて、寝て、おそらくゲームや動画、
SNSなんかにかなりの時間を費やしたり、好きなことに
没頭したりしているかもしれません。
その繰り返し。
何も子どもに大きな変化などないように思えてしまう。
そんなある日、ふらっとコンビニや公園や、あるいは
買物なんかについてきてくれたり、ごく短時間かも
しれませんがふっと外に出る。
それは、大人であるご家族にとっては、
目の前で起きていることは、
大きな行動の変化ではありません。

でも、よくよく思い出してみると、、、

・家での会話が少し減る
・学校の話題を出さなくなる
・「どうする?」と聞かなくなる

こうした家庭の空気の変化
先に起きることが多くあります。

神経科学の分野では、
人が安全で安心を感じられる状態では、
行動を選ぶ余地が広がると考えられています。
逆に、緊張が高い状態では、
新しい一歩を踏み出しにくくなります。

ある子どもは、こう話しました。

「家で、何か言われるかもって思わなくなったら、
外のことも考えられるようになった」

これは、家庭が“充電できる場所”に戻った瞬間とも言えます。

保護者が意図的に空気を変えようとしなくても、
判断を急がない姿勢そのものが、
家庭の緊張を下げることがあります。

行動の変化が見えなくても、
回復が進んでいないとは限りません。
回復の順番を整理する相談もあります。

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ラインで連絡もできます。

画像
地球子屋連絡用LINE QRコード

学校・支援機関・家庭の間で、保護者だけが立ち続けていると感じたとき

不登校となったとき、
一番支えなければならないのは
子どもなのはもちろんですが、
特にお母さん(お父さん)を
いち早く支えることが
子どもの回復には必要です。

当事者家族になってみないと
わからない心労がたくさんあるからです。
今回は、さまざまな”板挟み”になって
しまうご家族のお話です。

学校からの電話に出て、
支援機関の予約を取り、
家では子どもの様子を気にかけ続ける。

不登校が始まると、保護者はいつの間にか
「全部をつなぐ役」になっていきます。

母親は、
「学校からの連絡は、
私が受けないと話が進まない」
と感じ、昼間の対応を一手に
引き受けることが多くなります。

父親は、
「仕事中に連絡が来ても動けない」
「夜に話を聞くと、
もう決まった話になっている」
という疎外感を抱えることがあります。

さらに祖父母から、
「学校には行かせたほうがいいんじゃないか」
「昔はそんなことで休まなかった」
と言われ、間に立って
説明する役を担うこともあります。

このとき、保護者は
三方向から同時に引っ張られる状態になります。

  • 学校には協力したい

  • 子どもの状態も守りたい

  • 家族関係も壊したくない

どれも大切だからこそ、
「自分が頑張れば何とかなる」
と踏ん張り続けてしまいます。

でも、これは個人の問題ではありません。
不登校の初期は、
構造的に保護者へ負荷が集中する時期です。

すべてを調整しきれなくても、
失敗ではありません。

祖父母さんに、「なんで行かせないの?」
と言われても、一言ひとことに
対応しなくてもいいかもしれません。
みんな、心配している気持ちがあるから
いろいろと言うのですが、それは、
当事者のご家族にとってストレスになったり
心をざわつかせるものだとしたら、それは
ノイズでしかありません。
雑音なのです。
しょせん当事者に接触も限定的ですし、
当事者家族でもありませんから。
少し意地悪な言い方をするなら、
言うことで、心配しているということを
伝えたい、ある種の自己満足なのです。
そんなことに尽き合う余裕はありません。
今、本当に向き合うべきは、当事者の子どもです。

少ししんどい。会うのがなんとなく嫌だと
思うようになってきたとしたら、
今は、
「全部を回さなくていい段階」
に来ているのかもしれません。

調整役として立ち続けている感覚が強いとき、
まずはその負担を言葉にする場があります。
役割を少し減らす整理から始めても大丈夫です。

ご相談は、
不登校・ひきこもり相談支援センター
(フリースクール地球子屋)へお願いします
http://terakko.org/

「まずは病院へ」と言われ続けた末、親子が疲れ切ってしまったケース

https://note.com/terrakoya/n/n1241f4bc6aff?app_launch=false

不登校の子どもたちが
学校に行かなくなって、
平均約2か月で病院を受診する
と言われています。
ところが、フリースクールに
コンタクトをとるのは、平均
約1年数カ月です。
この差が、子どもの回復を遅らせる
と考えています。

不登校が始まってしばらくすると、
周囲から「一度、病院に行ったほうがいい」
と言われることがあるのは事実です。

この家庭でも、
朝の腹痛と頭痛が続いたことを
きっかけに受診しました。
医師からは
「大きな異常はないですね」と説明され、
「様子を見ましょう」と言われました。

異常はないという結果には、
ご家族も安心されることでしょう。
とはいえ、状況は変わりません。
一時的に安心したその束の間、
別の相談先では
「早めに対応したほうがいい」
学校からは
「医療的な見立てがあると助かります」
と言われ、どう対応したか迷いが
出てきます。

ご家族に再び不安が強まり、
家庭内に緊張感が漂います。

保護者は、
「もう一度、受診をしに行かないと
いけないのか」
「でも、行っても何も分からなかった」
という板挟みに陥ります。

結果として、
何度も受診を重ねるうちに、
子どもは
「また説明しなきゃいけないの?」
と疲れ果ててしまいます。
体調不良を訴える頻度が
増えていきました。

後から振り返ると、
保護者はこう話しています。

「病院に行ったこと自体が悪かったわけじゃない。
でも、“行けば安心できるはず”と期待しすぎていた」

医療は、判断材料の一つです。
病気や障がいなどあれば、それは治療と
しなければなりません。
ですが、生活全般含め、子どもの対応の
すべてを決めてくれる場所ではないのです。

この家庭では一度やみくもに受診することは止め、
体調が崩れる時間帯や前後の出来事を記録し、
情報を整理する期間を取りました。

そのことで、
「何が分からないのか」
「何に困っているか」がはっきりし、
次に相談するときの軸ができました。

ご家族がどう対応してよいか分からないため
何かしら、あるいは誰かからの助言を
求めるのは当然のことでしょう。
ですが、医療機関は、「不登校」の専門機関
ではありません。あくまで病気や障がいに
ついて診断や治療を行うところなのです。

医療機関だけではありません。子ども相談室
のような相談機関も、もちろん子どもに関する
相談全般を受け付けるわけですから、不登校に
ついても話は聞いてくれるでしょう。
しかし専門でもなければ、当事者でもないのです。
当然ながらそこから出てくる助言は、教科書に
載っているような当たり障りのない回答となります。

「不登校」とは、本当に幅広い分野を横断的に関わり、
かつ子どもの状態の1つとしての深い理解が必要
です。未だ不登校とは何かについて、専門家の統一
した見解などありません。(文科省の定義はあります)

ですから親の会のような同じ境遇のご家族との話の方が
ヒントになることが多いことは確かでしょう。
それ以上に不登校の状態は一人ひとり異なることから
長く不登校に関わっている人と話をすることが有効な
方法の1つです。


病院に行くかどうかで迷い続けているとき、
その迷い自体を整理する相談もあります。
判断を急がせない整理から始めてもかまいません。

ご相談は、
不登校・ひきこもり相談支援センター
(フリースクール地球子屋)へお願いします
http://terakko.org/

子どもが話してくれなくなったとき、親の頭の中で起きていること

 

「最近、ほとんど話してくれなくなった」
声をかけても、返事は短く、目も合わない。
以前はあった雑談も消え、何を考えているのか分からないまま時間だけが過ぎていく。

心配して声をかければかけるほど、距離が広がる気がして、
かといって何も言わなければ、放っておいているようで落ち着かない。
多くの保護者が、この板挟みの状態で立ち止まります。

まず知っておいてほしいのは、
子どもが話さなくなったこと自体が「意思表示」や「反抗」とは限らないという点です。

話さない、答えない、反応が薄い。
これらはしばしば、
「話せない状態」「言葉にすると自分が崩れてしまいそうな状態」
として現れます。

子どもは、大人ほど自分の状態を整理できません。
不安や緊張、失望や混乱が重なると、
言葉を出すこと自体が負荷になります。
結果として、沈黙が一番安全な選択になることがあります。

このとき、保護者の頭の中では
「何があったのか知りたい」
「原因を突き止めたい」
という思いが強くなります。
それは自然な反応です。

ただ、問いを重ねるほど、
子どもは「答えられない自分」を意識し、
ますます口を閉ざしてしまうこともあります。

ここで大切なのは、
話させることより、話せない状態を否定しないことです。

沈黙は拒絶ではなく、保留かもしれません。
今は言葉にできないだけで、
関係そのものを断ちたいわけではない場合も多くあります。

無理に会話を成立させようとせず、
同じ空間にいる、同じ時間を共有する、
それだけで十分な関わりになる時期もあります。

「話さない=何も進んでいない」
そう感じてしまうと、親の焦りが強まります。
けれど、内側では整理が進んでいることもあります。

もし今、
どう関わればいいか分からなくなっているなら、
一人で抱え続ける必要はありません。

誰かと一緒に状況を言葉にし、
「今はどの段階なのか」を整理することで、
次に何をしなくていいかが見えてくることもあります。

フリースクールや支援の場も、
今すぐ通うための場所ではなく、
考える材料を増やす選択肢の一つです。

ここまで読んで、「うちの子のことかもしれない」と感じた方へ。
行動の背景を一人で考え続けるのは、とても消耗します。
すぐに何かを決める必要はありませんが、
今どの状態にあるのかを一緒に整理することはできます。

ご相談は、
不登校・ひきこもり相談支援センター
(フリースクール地球子屋)へ
お願いします。
http://terakko.org/