欠席が続き始めた頃、
学校からの連絡が一気に増えることがあります。
担任から電話、
養護教諭から体調確認、
学年主任から面談提案、
スクールカウンセラー(SC)から「一度お話を」、
部活顧問からも連絡——。
どれも子どもを心配しての善意で、
学校が「できることを探している」動きでもあります。
ただ、その善意が重なると、
家庭側はそのたびに状況説明を繰り返すことになり、
保護者は疲弊しやすいというお話です。
子どもも、
連絡が入るたびに表情が固まり、
「学校の話をしないで」
と家の空気が張る。
結果として
家庭の主にお母様が
“いつでも対応しなければならない状態”になり、
親子関係の回復や生活の立て直しが
あるいは、ご自身の仕事が
後回しになってしまう。
ここで提案したいのは、
学校の連絡をメンドウなもの
とする発想ではなく、
「連絡の形を少し整えて、ご家族のためになるもの」
に変えるという一つの方法です。
もちろん、
状況によっては一本化が
難しいこともありますし、
今すぐできなくても
問題ではありません。
できそうな範囲だけ取り入れて、
家庭が持つ形に調整してよいものです。
「誰から」
「何のために」
「何を決めたい連絡か」。
体調確認、情報共有、支援提案、
事務手続き(提出物・出欠扱い・面談日程)
などが同時に来ると、
家庭の負荷は跳ね上がります。
まず、整理の出発点として
「連絡の発生源と目的」を分けてみます。
目的が大切で、子どもやご家族にとってそれは
本当に役立つか、
誰と信頼関係を築きたいか、
次につながるか、
など、相手都合から自分のための連絡に切り替える
こと、ここがコツになります。
自分のために、という目的が見えるだけでも、
「今すぐ答えなくていい連絡」と
「期限がある連絡」を分けられ、
気持ちが少し落ち着きます。
次に大切なのが、子どもの反応の観察です。
連絡の後に眠りが浅くなる、
食欲が落ちる、
怒りが増える、
部屋にこもる——
そうした変化があるなら、
“連絡量そのもの”が
負荷になっている可能性があります。
(これは学校サイドでは絶対に気づけない点です)
これは「子どもが弱い」からでも
「親が対応できない」からでもなく、
刺激が重なりすぎているだけのことが多い。
反応が見えると、
調整の必要性を学校側にも
説明しやすくなります。
そしてもう一つ、
保護者自身の限界点も指標になります。
電話が鳴るだけで動悸がする、
仕事が止まる、
家事が回らない、
きょうだい対応が崩れる——
そうした状態は、
家庭が支援の土台として
機能しにくくなるサインです。
ここを「親の努力不足」と
捉える必要は全くありません。
むしろ、限界点が見えていること自体が
重要な情報で、連絡の形を整える根拠になります。
それでは一本化を考えるときのコツです。
まずは“やらない”線引きを考えることです。
それは二つあります。
第一に、全ての窓口に即時対応し続けないこと。
真面目な方、きちんとしたい方には、即時対応が常識
という考えの方も少なくありません。
しかし、たとえ善意の連絡でも、
重なれば家庭の回復を削ることがあります。
「今は窓口を一本にして、まとめて共有したい」
という方針は、子どもを、そしてご自身を守る
ための“調整”です。
調整など失礼ではないかと思案する方もいるかも
しれませんが、大切なのは、子どもであり、ご家族であり
ご自身なのです。遠慮することはありません。
第二に、説明のために
家庭の詳細を出し過ぎないこと。
解ってもらいたい、
経緯を細かく話したい
という気持ちがあることは分かります。
家庭の深い事情があることも事実でしょう。
ただ相手によって、1を1で理解する人も
いますし、1聞いたら5から10くらい理解
するような相性のよい方もいることでしょう。
ご家族にとって役立つ、信頼できる人に、
しっかりと話をすればよいです。
もし言えるなら、その方に他の連絡先にも
情報を共有してください、と言うのも1つの手です。
そして、誰にでも、同じように話さなくてよい、
ということをここでは強調したいと思います。
とりあえずは「現状」を伝えればよいのです。
もし不足した場合は、連絡先が質問をするでしょう。
次に「連絡の取り方」です。
毎日が負担なら3日に1回、週に1回と明確に
提案してよいです。
極端な話、
「必要な時にだけ、こちらから連絡を入れます」
でもよいでしょう。
では、具体的にどんな形が
“負担が少ない一本化”になりやすいか。
要点はシンプルです。
相談や支援を専門にしている人が信頼できそう
ならその方がよいです。
学校ならSSWということになります。
SSWを避けたい場合は、業務量が少ない人を
「窓口」「頻度」「共有内容」を固定します。
担任や学年主任は、業務量が多すぎて熱心に
傾ける情熱をすり減らしている可能性が
あります。
子どもやご家族の困り感に熱心に向き合って
くれそうな人を選んだほうがよいでしょう。
たとえば、
窓口はSSWに一本化し、
連絡は電話ではなく
メールや連絡アプリ中心にして、
頻度は週1回程度にする。
共有内容は、
①今週の体調と生活の様子(短文で)
②家庭からの依頼(必要なら1つ)に絞る。
これだけで「いつ鳴るか分からない不安」から
距離を取りやすくなります。
学校への伝え方・言い回しフレーズは
以下のような形が役に立つかもしれません。
たとえば
「ご心配いただきありがとうございます。
今は連絡が重なると子どもも家庭も
負担が大きいです。
窓口を◯◯さんに一本化させてください。
週1回こちらから状況を共有する形に
できると助かります」
「急ぎの案件は
件名に“至急”と入れていただけると
見落としが減ります」といった表現です。
ご家庭の都合を1番に伝えること、
このように建設的な提案をすることは
決してクレームなのではなく、
むしろ学校側の負担を減らすことにもつながります。
「家庭の現状」と「ミスを減らす工夫」として提示すると、
協力が得られやすいことが多いです。
最後に。
一本化は、必ずしなければならない“正解”
ではありません。
連絡を減らすことが難しいことも
あるでしょう。
学校側の事情で複数窓口が必要な場合もあります。
それでも、
「窓口・頻度・共有内容を少し固定する」という発想は、
家庭の消耗を軽くし、
子どもが落ち着く余白を作りやすい方法の一つです。
もし家庭だけでは整えにくいと感じたら、
外部の相談先に「連絡調整そのもの」を
相談テーマとして持ち込んで構いません。
原因追及ではなく“生活を守る連携”として整えることが、
結果として
子どもの回復を支える土台になっていきます。
ご相談は、
不登校・ひきこもり相談支援センター
(フリースクール地球子屋)へお願いします






